Saturday, September 3, 2011

いたわることの難しさ


9月に入ったという事で、僕のケニアでの活動もあと1か月を切りました。
ケニア全体の雰囲気としてポレポレ(ゆっくり、のんびり)なのに関わらず、時がたつのはやっぱりあっという間です。

この2カ月、当たり前だけども口で言うのと実際にそれをやるのは大違いだなという事を日々実感しています。

その中でも、特に「相手の立場に立って物事を考え、行動する」ということに大変難しさを感じています。

というのも、やはりバックグラウンドが全く違う環境で育てきた人たちと暮らしているので、暗黙知ではなく彼等の価値観や日常生活を日々想像力を働かせて考える必要があるからです。

その中でも、いまは彼らのスラムの暮らしにありがちな問題点に、
頭ではわかっていても感情の部分でどうしても相手の立場で考えきれないことがあります。

それはいまのボスとの関係なんですけども、

この1か月で、自分とボスの二人でスラムの教育に関するプロジェクト立ち上げの準備に邁進してきました。
1か月間でスラムの現状をリサーチして、事実を数字として集め、色々な人の話を聞き、提案書を書き上げてきて、
やっとこさテレアポしつつ企業に営業にいったり、大学にいって学生をリクルーティングしにいこうという段階でした。

仕事の現状としてはそんな感じなのですが、彼個人の現状としては、
彼の家には新しい子供が生まれたという事もあり、「お金」と「自由な時間」がありません。

その結果、タウンでの営業に出かける時も、交通費をねん出できず自分一人で行くことがたびたびだったり、メールを返信するお金がなかったり、
また、子育てのせいで夜中に睡眠をとれず来る予定の時に来れないという日が最近まで頻繁に続いていました。
そして、つい先日
「家族を養うために、お金を稼ぎに職探しに町に出るから、しばらく事務所には来れなくなる。」
といわれました。

彼もそれが仕事にどれだけ迷惑をかけるか分かった上でいっているので、すごい申し訳ない気持ちでいっぱいだろうし、自分ももし彼の立場だったら間違いなくそうするだろうし。
だからこそ、そういった彼の事情を十分にくみ取った上で、
「家族の為にいい職見つけて適度にお金稼いで早く戻ってきて、その間は自分の最善を尽くすから。」
といえればいいのですが、やっぱり自分はその時彼にそんな励ましの言葉をかけてあげることがどうしても出来ませんでした。

今後どうしていこうかと考えつつも、日ごろの小さな不満も相まってこちら側の視点で考えてしまい、やるせなさで一杯になってしまいました。


だけどもその結果として、
「相手の立場に立って物事を考えること」と
「相手の立場に立って行動すること」
は必ずしも一致するということじゃないんだなと身をもって深く感じることが出来た出来事となりました。


ということで、上述のように仕事的には今はなかなか苦境に立たされている感もあるのですが、

苦しい時こそ、人はいろいろな事を考え、乗り越えていく為に成長していくものだと思うので、日本ではなかなか経験できないこんな環境を存分に苦みその中で、多くの学びを得ていければと思います。

Tutaonana!!

2 comments:

  1. つるちゃんすごいよ。
    自分に余裕があるときはなんでも受け止められるけど、いざ自分に余裕がなくなったときに「相手の立場に立つ」ことが出来るかってめちゃめちゃ大事だよね。
    今のおれの課題です。

    つるちゃんの成長率に負けないようにおれも頑張ります。

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  2. >yusuke
    自分にとっても、人生の課題です。笑 だけど最近は「余裕がない時の対応」にしても、「余裕の幅を広げる」にしても、やっぱり経験の数なのかなという思考停止な考えに至っております。
    成長に関しては堂々巡りな感じではあるけど振り返ってみて個人的に成長したなと思えれば嬉しい。
    お互い頑張ろう!

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