現在、ケニアでは新学期が始まったというのに、全国規模で公立の教師達が自分達の劣悪な労働環境を改善しようとストライキしております。
かたや、子供たちは呑気なもので、夏休みが延びたと嬉しがっている感もあるのですが、まぁ確かにその年頃だと学級閉鎖とか何かにつけて休みが増えたら喜んでたなーと回想しつつ、
今回はケニアの教育事情について紹介しています。
【概観】
・ケニアの教育制度:8-4-4(Primary-Secondary-Higher education)
・進学制度:primary schoolのGrade 8でKCPE(Kenya Certificate of Primary Education)を受験。その成績とエッセイをもとにして最大5つの学校に入学願書の提出。Secondary schoolでも同様にForm 4 でKCSEを受験しその成績によって進学できる大学が決定。Grade C+以上が高等教育機関が受け入れる最小のスコア。B+以上で国立大学に入学可能。毎年2月にTop100(?)の生徒と中学校が公表されるなど、2月の成績発表は学校全体の最大の関心事となる。
・進学率(初等→中等→高等):92.5%→42.5%→15.5%(By EMIS in 2008)
・初等教育における教師対生徒の割合:1:45
【一般的な問題点】
・ケニア政府が公立小学校の無償教育や学校の建設など初等教育に注力するものの、中等教育や高等教育においてはまだまだ手つかずの部分が多く、専門的な教育を受けた教師や教授の不足が問題になっている。
・教育の質としてはupper-middleが住む地域に多くある上位の私立校→公立校→スラムなどに多くある下位の私立校という順になっており、階層間格差は顕著である。
・「私立の教師(上位の)は父親であるのに対して、公立の教師は警察官(ケニア市民にとっては恐怖の象徴的存在)である。」といわれるように、私立校には創造性をはぐくむ土壌があるのに対して、公立ではカリキュラム通りの詰め込み教育。
それに加えて、スラム固有の問題点としては、
1.学費
1日1ドル以下で生きる過程が大半といわれる中で、授業料や制服代などは大きな負担となる。(給食は基本支給されていないので昼食時は帰宅)
2.教師の質
学位も持たず、専門的な教育をうけずに教師になるUntrained Teacherの割合の多さ
3.教育機会の少なさ
夏休みの課外活動や授業後の補習などが充実しておらず、夏休みが始まったら2か月鉛筆を待たずに過ぎて、学校に戻ってくるころにはまた一から教えなおさなければいけない。
4.親の教育の重要性の認識の希薄さ
親の世代で教育を受けている人が少ないので、そもそもとして教育の重要性を認識していない。学校に通わせる暇があったら、家の手伝いをしてもらった方がマシという考えが根付いている。
ITに興味津々な自分としては、
どこの国にしても、いまの時代は教育とITへのアクセスはCrucialなので、ケニアの様な国ではITが教育格差を埋めるカギになるんだろうなと期待しています。
No comments:
Post a Comment